|  Question1 薬物乱用ってなに? 
 Answer1
 では、先ず薬物について説明しましょう。薬物とは、皆さんもテレビとか新聞等でよく見たり、聞いたりする麻薬・ 覚せい剤・向精神薬と言ったクスリの他に、シンナー・トルエン(有機溶剤)・大麻なども指しているのです。つまり薬物とは、何か一つのものだけを言うのではなく、これらすべてのものを含めて薬物と呼んでいると考えて下さい。
 そして、これらの薬物には、それぞれにきちんとした使用目的があるのです。それを単なる好奇心や興味ごころで正しい使用目的をはずれた使い方をすることを、乱用と言っています。従って不正に使用した時、それは一回でも乱用したことになるのです。
  Question2 「薬物乱用」はなぜダメなの? 
 Answer2
 麻薬・覚せい剤・シンナーなどの薬物を乱用すると、脳をはじめ身体は破壊されて元に戻らなくなります。幻覚や妄想といった精神障害のほか多量に使用することによって死に至ることもあるのです。
  Question3 でもダイエットになるのでしょ? 
 Answer3
 「ダイエット?とんでもない。」たしかに 食欲は減退しますが、体はやつれてボロボロになってしまいます。
  Question4 1回ぐらいならいいんでしょ? 
 Answer4
 1回でもダメです。1回ぐらいならと思ってもイライラや不安などから逃れるためにまた薬物に頼らざるを得なくなってしまいます。
 繰り返し使用するうちに、それまでの量では効かなくなり使用する量や回数はどんどん増えていきます。
 Question5 薬物乱用のきっかけが身近にあるって本当? Answer5そうです。案外、誘惑はいたるところにあります。たとえば、友人、知人からさそわれた。海外旅行先で、開放感からつい手を出してしまった。「いやなことを忘れたい」、「気持ちが良くなる」とか「試験のとき、ねむくならずに勉強がはかどるよ」と甘い言葉をいわれ、安易に使ったなど、このようなきっかけがもう日常生活の中に入り込んでいるのです。あなたに迫っている問題として捉えて下さい。もし、そういう場に出会ったら、勇気をもって断る!! ことが大切です。
  Question6 どんな薬物が体をボロボロにするの?
 Answer6
 体をボロボロにする薬物には次のようなものがあります。
 麻薬
 「けし」から作られる、阿片(あへん)、ヘロインなど、コカの葉から作られるコカイン、合成して作られるLSDなどです。
 *「ヘロイン」、「LSD」は日本では医療にも一切使われていません。
 覚せい剤
 白い結晶性粉末又は無色の結晶で水によぐ溶ける。俗称スピード、エス、アイス、シャブと呼ばれています。
 大麻
 乾燥させたもの「マリファナ」、 樹脂状に固めたもの「ハシッシュ」、液状にしたもの「ハシッシュオイル」などです。
 有機溶剤
 トルエン、シンナー、あんぱん(俗称)などです。
 向精神薬
 「催眠鎮静薬」等があります。お医者様の処方で使用する場合は心配ありません。
 覚醒剤の場合●精神障害
 幻覚・妄想が起こる。情緒不安定になり、覚醒剤ほしさに人に乱暴したくなるなど…
 一度幻覚が出ると完全に治ったように見えても、ストレスや飲酒によって、こんな症状が起こる(フラッシュバック)。
 ●血圧
 上昇する。
 ●食欲
 減退する。
 ●その他
 イライラ・不安感・疲労感・頬がこける・目が落ちくぼむ・身体が水ぶくれのようになる・息苦しい・不眠。
 
 シンナーの場合
 
  ●脳 呼吸中枢に作用し、ついには死に至る。
 
  ●眼 視神経がおかされ 眼底出血を起こし 失明する。
 
   ●肝臓・腎臓 これらの臓器の細胞の 一部が死んでしまう。
 
  ●食道・胃 粘膜がおかされ 咳や痰が多く出る。
 
 ●その他健忘・手のふるえ、しびれ感、耳鳴・ 脱カ感・頭痛・咽頭痛、 歯がボロボロになる。
 クスリは本来がヒトにとって異物であり、時としては毒となるようなことがあります。薬剤師は、ヒトの命を救うため健康に役に立つクスリの使い方や、ヒトにとって好ましくない副作用の情報等をみなさんにお伝えし、クスリを正しく使っていただくための仕事をしています。そこでクスリについて何でも相談できる「かかりつけ薬局」を持つことをおすすめします。
 さらには、薬物乱用防止の推進、教室の空気・照度の測定、プールの水質検査などの仕事を通して、皆さま方の健康と明るい夢のある社会を作ることに貢献しています。
 
  
 以上の資料は、(社)東京都薬剤師会の「人々へのメッセージ文書」から作成しました。このような薬物乱用防止の情報を人々へ伝達することの重要性を鑑み、インターネットにも記述しました。
 
 
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