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ツムラ 麦門冬湯 エキス顆粒(医療用):29
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 |
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出典書籍
西暦750年 唐時代 『外台秘要』 王寿 →処方使用期間:1264年間生薬一覧
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 効能3 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
麦門冬 » |
10 |
君薬 |
生津 |
止咳・化痰 |
補虚薬 |
補陰薬 |
|
人参 » |
2 |
佐薬 |
生津 |
補気健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
|
大棗 » |
3 |
使薬 |
生津 |
補気健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
|
甘草 » |
2 |
使薬 |
生津 |
補気健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
|
粳米 » |
5 |
使薬 |
補気健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
||
半夏 » |
5 |
臣薬 |
理気 |
化湿・止嘔 |
止咳・化痰 |
化痰止咳平喘薬 |
温化寒痰薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
生薬説明
1.麦門冬は、滋養強壮作用によって粘膜を滋潤し、体液の分泌を増し(滋陰潤燥)、鎮咳・祛痰・消炎・抗菌に働きます。2.半夏は、粘膜刺激による咳嗽を鎮め、気道内の痰を排出させ(燥湿化痰)、悪心・嘔吐を治め、蠕動を調整します。
3.麦門冬・人参・大棗・梗米・甘草(灸甘草)はすべて潤燥に働き(生津)、痰を薄めて喀出しやすくします。
4.人参・大棗・梗米・甘草(灸甘草)は全身の機能を高め、代謝を促進し、消化吸収を強め、元気をつけ疲労感を除き抵抗力を増します(補気健脾)。
(補足)
麦門冬湯は、基本的には肺と胃の津液不足と、それによって生じた虚火(虚熱)を治します。潤燥を主体とした化痰止咳の効力があり、乾咳・咽の乾燥感やいがいががあり、無痰・少痰あるいは粘欄な切れにくい痰を呈する場合に広く用います。また、胃陰虚による諸種の上腹部症状、口乾、便秘、紅舌、少苔に対して用います。
中薬構成
(herb composition)
特徴は、構成生薬の大半が潤性で降性で補性だという点です。ただし、白虎加人参湯のように石膏が入っておらず、寒性薬としては麦門冬と梗米が入っているだけですから、水をガブガブ飲むような熱証と燥証の著しい方には効かないです。
麦門冬には咽喉を潤す作用がありますから、咽喉が乾燥して声が榎れ、のぼせ傾向で、咳が下から突き上がってくる(升証)ようなものに良く効きます。むろん咳は乾咳で、痰はないか粘稠痰が少量の場合に限ります。
半夏があるので、百日咳のように、咳が下から突き上がってきて吐きそうになるのにもよいです。
また糖尿病は、原則として燥証で虚証であるから、咳がなくても使うことができます。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂 »に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |