手足がほてって苦しい場合にほてりを取ります
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
「水」が不足している陰虚タイプは、身体に潤いがたりず、余計な熱がたまった状態にあります。そこで「平性」「涼性」ときには「寒性」の食材を使って、熱を払って潤いを補充する食事を心がけましょう。のぼせやほてりがあるときは、身体を冷ます平涼性の食材をとくに選んで料理します。
中国で体のほてりを鎮める代表的な食材といえば、すっぽんがあげられます。日本では、生はなかなか入手できませんが、缶詰のすっぽんスープが販売されています。また、すっぽんと同様に稀少な鴨肉やあわびも熱を冷ましてくれる食材です。陰虚の人は、ときにはこれらの食材を使った料理で「陰」を養いましょう。
また、きゅうりやトマトなどの寒涼性の野菜を生で食べると効果的です。
中国には、「甘酸化陰(かんさんかいん)」すなわち「甘味と酸味を合わせると陰分が湧いてくる」という言葉があります。この言葉の意を満たす食材がトマト、梨、レモン、メロンなど。自然のなかで育ったこれらの野菜や果実には、舌にやさしい自然の甘味と酸味が備わり、陰を補い、体を潤すはたらきがあります。陰虚の人には、ぜひ積極的にとってほしいものです。
逆に、なるべく避けたい味は「辛味」です。唐辛子、こしょうなどの香辛料や、大根、ねぎ、にんにくなどの辛み野菜は、辛味が強すぎて陰分を消耗するので、この陰虚タイプには不向きです。
●香辛料、薬味野菜など、「辛味」や「温熱性」の強い食材は控えめにしましょう。
●のぼせ、ほてりがあるときは、「温性」「熱性」の食材は避け「平性」「涼性」の食材をとりましょう。
●冷たい飲みものは避け、できるだけ温かい飲みものを飲みましょう。
●しょうが、にんにく、ねぎ、ピーマン、にらは、なるべく避けましょう。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
身体の熱を取るセロリ、なす、きゅうり、冬瓜(とうがん)などの野菜を食べましょう。食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけましょう。ストレスの発散は運動で汗を流しましょう。
●気になる不調を自分で手軽にケアする方法として、おすすめなのが『ツボ』(経穴)です。
数千年の歴史を持つ中医学(東洋医学)の治療法です。
WHO(世界保健機関)の主導でツボの名称統一を行うなど、最近は世界的にも関心が高まっている治療法です。
「お茶で一服する」「トイレに立つ」といったタイミングでツボを押すことを、ぜひ習慣化しましよう。その場で不調を解消できるだけでなく、病気への抵抗力や免疫力を日々、高めていくことが可能です。
体に必要なうるおいである陰を、根本から補うことができるツボです。
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
上半身の熱や余分なものの溜まりを取る作用があります。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで身体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
●世界の伝統医学の中でも、最も理論体系が整い、豊富な治療手段を備え、長い経験の蓄積があり、実用性の高いのが中医学(東洋医学)です。
この医学は病気の治療ばかりでなく、養生思想も内容が豊かで、病気の予防や健康増進にも活用できます。
その大きな特徴は、一人一人に合わせたやさしい眼差しで、各個人の体質を見極め、体質や体調に合った養生や生活改善を提案することです。
中医学では、昼は「陽」、夜は「陰」の時間帯といいます。十分に寝て陰を養うための夜間に起きて活動していると、陰分は消耗する一方です。
また、辛みが強い酒やたばこをとりすぎると、熱が生じてのどが渇き、やはり陰分が消耗します。
そこで、陰虚の人は、夜型生活であるならそれをやめて少なくとも午前0時前に寝ることが必要です。そして酒やたばこを控えることを真っ先に心がけてほしいものです。
健康のために適度に汗をかくのはよいことなのですが、「陰」不足の人は汗をかきやすい体質のため、ますます「陰」が消耗され、体調をくずすもとになります。このタイプには、炎天下でのスポーツやサウナなど、びっしょり汗をかくようなことは不向きです。
また、汗をかきすい夏は涼しい服装で、エアコンも冷えすぎない程度に利用するとよいでしょう。もちろん水分補給には充分に気をくばってください。
適度な運動は必要ですが、汗のかきすぎには要注意です。運動後はたっぷりと水分を補給しましょう。
運動をするときには、汗のかきすぎに十分な注意が必要です。最も適しているのは、水泳やアクアビクスなどの水中運動です。
ただし、体を動かせば、水中でも汗をかくので、運動後の水分補給はお忘れなくしてください。
熱いお風呂に入ると、のぼせたり、肌が赤くなってかゆみが起こることが多いため、お風呂の温度は低めに設定するのがポイント。
上半身はほてっているのに、下半身は冷える「冷えのぼせ」がある人は、腰から下はゆっくりとお湯につかり、上がるときには、上半身だけ30~35℃くらいのぬるいシャワーを浴びましょう。足湯もよいです。下半身を温めることで、体の上部にこもった熱が下がり、気が全身にめぐります。
また、お風呂上がりにはぬるめのお茶で水分補給をして余分なほてりをクールダウンさせましょう。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
陰虚タイプのほてりと違い、内熱タイプは、熱を発散させるためにもジョギングやテニスなどの運動もOKです。たまに一日がんばるのではなく、毎日の習慣にしましょう。
ただ熱が上にのぼるので興奮しやすく、本当は疲れていても気持ちでは疲れていない、体力が合って元気だと思いがち。あまりがんばりすぎないよう、意識してブレーキをかけたほうがよいでしょう。
(remarks)
主治:陰虚血熱・湿熱
効能:滋陰涼血・清熱祛湿
温清飲 …体力中等度の人で、手足の熱感があり、のぼせ、神経過敏、出血傾向などを伴い、皮膚疾患では、手掌、足蹴に限らず、全身各所の乾燥、発赤、熱感があり、上腹部の緊張・抵抗がある場合に用いる。(血虚血熱)
白虎加人参湯 …体力のある人で、急性症では身体灼熱感とともに激しい口渇や発汗などを伴い、慢性症では局所的灼熱とともに口渇を認め、また、皮膚疾患においては手掌、足蹴に限らず、全身各所の発疹があり、皮膚掻痒感が特に顕著な場合に用いる。(気分熱盛)
八味地黄丸 …比較的体力の低下した人、あるいは老人で、手足、特に足の裏のほてり、口渇があり、腰痛、排尿障害、頻尿、多尿、乏尿、排尿痛などを伴う場合に用いる。(腎虚)
温経湯 …比較的体力の低下した冷え症の人で、手掌のほてり、口唇の乾燥感があり、月経不順、月経困難、下腹部の冷え、膨満感などのある場合に用いる。(血虚痕血、下焦虚寒)
小柴胡湯 …虚実、煩熱や頭痛をみることがあるが、寒熱往来し、胸脇苦満がある。(少陽病肝気欝結)
小建中湯 …虚労、裏急があって、そのため手足煩熱する。(脾虚で気血不足)