出典書籍
西暦1805年 江戸時代 『叢桂亭医事小言』 by原南陽 7巻。医学総論、診察法、病証ごとの治法、家蔵方などを述べている。→処方使用期間:212年間
【適応症】痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、脱肛、肛門出血、痔核の疼痛、女子の陰部掻痒症、皮膚病の内攻による神経症。
次の症状のいくつかある方は、乙字湯が良く効く可能性が大きいです。
●便が硬くて便秘しやすい方の、いぼ痔や切れ痔に用います。また、便秘により悪化する方に使用します。
●和式トイレをはじめとする日本人の生活様式や、酒・香辛料など刺激性の飲食物、冷え、過労などは肛門・直腸下部の静脈をうっ血させ、痔の発生と悪化の原因となりますが、とくに注意しなければならないのが便秘です。
●漢方製剤乙字湯液は、便通を整えるほか、局所の血液循環をよくし、出血と落痛をおさえるなど、内服によって痔の原因をとり除く漢方薬です。
●疼痛出血などを伴う痔疾の特効薬として繁用される柴胡剤です。
○体力が中くらい以上で、便秘がちの方に向いています。
×出血が長く続いたりして、体力の衰えている方の使用は好ましくありません。
●漢方製剤 乙字湯 液は、徳川時代の漢方医原南陽(はらなんよう)の創方による処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく液剤としたものです。
●漢方製剤 乙字湯 液は、江戸時代の医家原南陽の創方になります。原南陽は、自製の常用処方に甲・乙・丙・丁という十干の文字を付し命名しました。漢方製剤 乙字湯 液は原南陽創製常用の第2号処方といった意味あいで名付けられました。
西暦1805年 江戸時代 『叢桂亭医事小言』 by原南陽 7巻。医学総論、診察法、病証ごとの治法、家蔵方などを述べている。→処方使用期間:212年間
大便がかたくて、便秘傾向のあるものの次の諸症:
痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘
成人(15才以上)1回1本。1日3回、食前又は食間に服用してください。
食間とは…食後2~3時間を指します。
本剤は、本質的に沈殿を含んでいますので、服用前によく振ってから服用してください。
[用法・用量に関する注意]
(1)定められた用法・用量を厳守してください。
(2)小児(15歳未満)には服用させないでください。
(3)使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。
乙字湯の構成生薬は、下記の6種類です。そのうち、柴胡、黄ごん、大黄、甘草などは、炎症をしずめ痛みをやわらげる働きをします。大黄には、便通をつける作用もあります。また、当帰には補血作用があり、升麻は痔核や脱肛によいといわれます。
相談すること
1.次の人は服用前に医師または薬剤師に相談してください
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦または妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)で軟便下痢になりやすい人。
(4)胃腸の弱い人。
(5)高齢者。
(6)今までに薬により発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(7)次の症状のある人。むくみ
(8)次の診断を受けた人。高血圧、心臓病、腎臓病
2.次の場合は、直ちに服用を中止し、この製品を持って医師または薬剤師に相談してください
(1)服用後、次の症状があらわれた場合
関係部位 症状
[皮ふ] 発疹・発赤、かゆみ
[消化器] 悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
症状の名称 症状
[肝機能障害] 全身のだるさ、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)等があらわれる。
[間質性肺炎] せきを伴い、息切れ、呼吸困難、発熱等があらわれる。
[偽アルドステロン症] 尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等があらわれる。
(2)1ヵ月位(きれ痔、便秘に服用する場合には5~6日間)服用しても症状がよくならない場合
3.長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください
【保管及び取扱い上の注意】
(1)直射日光の当たらない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)
(4)封をあけたら飲みきってください。封をあけたまま保存しないでください。
【妊娠・授乳の注意】
●配合生薬の大黄には、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用が認められています。そのため、流早産の原因にもなりかねません。大量でなければまず心配ないのですが、妊娠中の服用については医師とよく相談してください。