出典書籍
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 by校訂 東漢・張機(仲景)著。原著は《傷寒雑病論》という。北宋の王叔和は《金匿玉函要略方》全3巻を記録し伝えた。その伝本を林億らは《金匿要略方論》と改名した。全25巻、方剤262方、内科雑病、婦人科、救急、飲食禁忌などについて述べられている。漢代以前の豊富な臨床経験を総結し、弁証論治および方薬配伍の一般原則を記している。→処方使用期間:1767年間
【適応症】慢性胃炎、慢性腸炎、尿管結石、胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢(泄瀉)、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛、腸疝痛、慢性腸狭窄、腸内ガスによる腹痛、回虫症、胃拡張症、遊走腎、腹膜癒着後遺症、流産癖、腎結石、胆石症、喘息。
【こんな時には】
●腸閉塞症の治療における大建中湯の投与は、数多くのエビデンスが蓄積されており、治療の第1選択となり得ます。とくに消化管術後早期の大建中湯の投与は、早期離床および入院期間短縮に有用です。
●便秘型の過敏性腸症候群や通常の下剤で治療に難渋する慢性便秘に対して、大建中湯が有効な場合があり、不定愁訴としての腹部膨満感に対して選択肢の一つです。
●最近の研究により、大建中湯の抗炎症作用が明らかになり、クローン病などの炎症性腸疾患に対しても効果が期待できます。
●エキス剤の場合、熱湯に溶いて温かいうちに服用したほうが効果は高く、十分な治療効果を得るためには、エキス剤の全量投与(ツムラ15g/日、コタロー27g/日)が望ましいです。
●主な副作用は下痢や肝機能異常ですが、重篤な副作用は少なく、安全性の高い薬剤といえます。
次の症状のいくつかある方は、大建中湯が良く効く可能性が大きいです。
●中焦(おおよそ消化機能と考えられます)を温め補う要薬で重要方剤です。
●虚証で腹中に寒があり、蠕動亢進して痛む方に用います。即ち裏寒の疝痛に用います。
①腸管蠕動不安症
②腸疝痛・腎石発作・イレウス(腸閉塞)
●特に消化器系が弱く、腹部が軟弱無力で、膨満感があったり食欲不振だったり、あるいは食べても太れないといった消化・吸収力のない、極めて虚弱な体質を改善していくのに効果があります。また、腹部の手術後の体力低下などで体に強烈な冷えがあり、それによって起こる腹部の痛みを取る場合にも使用されます。
○寒虚証であることを使用条件とします。
●コタロー 大建中湯 エキス細粒は体力虚弱で、脾胃(消化器系)虚寒のものに用いられます。建中の‘建’は建立、‘中’は中焦つまり脾胃などの消化器系を指し、小建中湯に対比させて大建中湯と名付けられました。
●腹痛やお腹の張りをやわらげ、また、体をあたためて胃腸の調子をよくします。体力がなく冷え症で、お腹をこわしやすい人に向く処方です。
●イレウス(腸閉塞):腸が詰まって便や消化物が先に進まなくなる腸の病気です。踏ん付けたホースや中がさびで目詰まりした水道管からは先から水が出てこないように、何らかの理由で腸が詰まることで発症します。
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 by校訂 東漢・張機(仲景)著。原著は《傷寒雑病論》という。北宋の王叔和は《金匿玉函要略方》全3巻を記録し伝えた。その伝本を林億らは《金匿要略方論》と改名した。全25巻、方剤262方、内科雑病、婦人科、救急、飲食禁忌などについて述べられている。漢代以前の豊富な臨床経験を総結し、弁証論治および方薬配伍の一般原則を記している。→処方使用期間:1767年間