現代病 中医師 漢 方
弁証弁証…【痰湿証】の方に使用
【症状】
合併症のない単純な肥満にあたります。
日頃から脂肪分が多い食事・酒・タバコを好む、胸のつまり感、便秘。
舌苔;白臓。脈;弦滑。

方剤適応症状

防已黄耆湯

色白で多汗、浮腫(むくみ)、関節水腫などのある方に使用します。

防風通聖散

太鼓腹で便秘のある方に使用します。


【目的】
@肥満症の治療は食餌療法が中心でありますが、漢方薬を併用すると相乗効果が期待できます。
A中医学では−肥った人は余分な水分が体に溜まりやすい−と考えています。漢方薬の中には利尿作用があり、余分な水分を排泄することで体重減少効果を発揮するものもあります。
B漢方薬は肥満に伴う高脂血症や高血圧などの合併症にも効果があります。

弁証弁証…【肝陽上亢証】の方に使用
【症状】
高血圧症やのぼせ症を合併した方に使用します。
いらいらして落ち着かない、口渇、不眠、尿量が少なく黄色尿。
舌質;紅。脈;弦。

方剤適応症状

黄連解毒湯合七物降下湯

本証に適合する合方です。

大柴胡湯

便秘、上腹部や季肋部の緊満感がある方に使用します。


弁証弁証…【脾腎陽虚証】の方に使用
【症状】
体は虚弱で、陽虚のために水分が体にたまっている(水太り)状態です。
倦怠感が強い、疲れやすい、息切れ、寒がりと四肢の冷え、浮腫(むくみ)、腰痛。
舌質;淡。舌苔;白臓。脈;沈細。

方剤適応症状

防已黄耆湯合五苓散

浮腫があり、尿量が少ない方に使用します。

真武湯合五苓散

冷えがつよく、浮腫(むくみ)や水様便がある方に使用します。


【解説】
脾腎陽虚証の肥満の例として、甲状腺機能低下症による肥満が挙げられます。

弁証弁証…【瘀血証】の方に使用
【症状】
高脂血症や動脈硬化症を伴った方に多いです。
顔色は青黒く頬に細血管が浮き出ている、手指や足趾のしびれや痛み、胃のもたれ、げっぷ。
舌質;暗紫色または瘀斑があります。脈;弦または弦渋。

方剤適応症状

桂枝茯苓丸合防風通聖散

便秘、動悸、肩こりなどがある方に使用します。

桃核承気湯

便秘がひどく、腹部に圧痛がある方に使用します。