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ウチダ 柴胡桂枝乾姜湯 煎じ薬:11
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 |
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出典書籍
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 →処方使用期間:1764年間生薬一覧
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 効能3 | 効能4 | 効能5 | 効能6 | 効能7 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
柴胡 » |
6 |
君薬 |
疏肝解欝 |
解表剤 |
辛涼解表薬 |
||||||
黄芩 » |
3 |
臣薬 |
清熱 |
清熱剤 |
清熱燥湿薬 |
||||||
牡蛎 » |
3 |
使薬 |
安神・止汗・熄風 |
||||||||
瓜呂根 » |
3 |
使薬 |
滋陰清熱 |
清熱剤 |
清熱瀉火薬 |
||||||
桂皮 » |
3 |
佐薬 |
温中散寒 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
||||||
乾姜 » |
2 |
使薬 |
温中散寒 |
温裏薬(散寒薬) |
|||||||
甘草 » |
2 |
佐薬 |
諸薬調和 |
補虚薬 |
補気薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
生薬説明
1.柴胡・黄芩は、消炎・解熱・鎮静作用により、往来寒熱・胸脇苫満を除く(清熱)。2.乾姜・桂皮は、瀉下薬により生じた胃腸平滑筋トーヌス増大と痙攣(けいれん)を除き血行を促進する(温裏祛寒)。
3.括楼根は、体を滋潤して脱水を緩解し、かつ消炎・祛痰する(滋陰清熱)。
4.牡蛎は、止汗・鎮静作用によって、汗を止めて津液喪失が進行するのを防止し、動悸を鎮め、かつ鎮痛作用により腹痛を止める。
5.甘草(炙甘草)は、抗利尿作用により津液を保持し、鎮痙鎮痛作用により腹痛を止め、また諸薬を調和させる。
(補足)
本方は、本来、傷寒に罹患し、治療が適切でないために邪が少陽の部位に仕入し、ここで邪正相争し、水飲が結した状態に用いる。この病態は、感冒や気管支炎に現れることが多いが、本方は慢性疾患にも応用可能で、その場合、個々の薬物の作用は傷寒とは異なった面が表面に出る。例えば、慢性疾患に用いる場合は次のように働く。
1.柴胡は、鎮静・自律神経調整を行う(疏肝解欝)。
2.黄芩・牡蛎は。鎮静作用により脳の興奮性や動悸を鎮める(安神)。
3.桂皮・乾姜は腹中を温めて腹痛を除き(温中散寒)、甘草(炙甘草)・牡蛎が鎮痛を補助する。
4.括楼根は、滋潤性により口渇を止める(滋陰清熱)。
中薬構成
(herb composition)
柴胡と黄芩の組み合わせがありますので、いわゆる柴胡剤の一つで、胸脇苦満が考えられますが、桂枝・乾姜・牡蠣・甘草と虚証用の薬がたくさんに加わっていますので柴胡桂枝湯よりさらに虚証用の方剤です。
瓜呂根は潤性が強いので、口乾や乾咳や盗汗によく、牡蠣には鎮静・止汗作用があります。また桂枝は頭痛や微熱など、表.証の残っているのを除く役を果たします。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂 »に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |