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ゴレーンS:S038
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 |
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出典書籍
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 →処方使用期間:1764年間生薬一覧
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|
猪苓 » |
3 |
臣薬 |
利水止瀉・消腫 |
利水滲湿薬 |
||
沢瀉 » |
5 |
使薬 |
利水止瀉・消腫 |
清熱 |
利水滲湿薬 |
|
白朮 » |
3 |
佐薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
茯苓 » |
3 |
君薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
利水滲湿薬 |
|
桂皮 » |
2 |
使薬 |
理気・散寒(通陽) |
解表 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
生薬説明
1.白朮・茯苓・猪苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収して、利尿作用によって排除します(利水惨湿)。猪苓・沢瀉は、尿細管再吸収抑制によるやや積極的な利尿作用をもつといわれています。この作用により、浮腫や下痢(泄瀉)を緩解します(止瀉・消腫)。
2.桂皮は、血管拡張により血行を促進し、また消化吸収を補助し、利水の効果を強めます(通陽)。また、発熱・悪寒・頭痛などの表証があるときには、発汗・解熱に働きます(解表)。
(補足)
本方は、利水滲湿の基本方である四苓散(白朮・茯苓・沢瀉・猪苓)に通陽の桂皮を加えたものです。体内の水分の偏在(組織内や消化管内の水分貯溜)に用いるべきもので、脱水には禁忌です。熱証を呈するときには単独で用いてはならないです。
中薬構成
(herb composition)
沢瀉・茯苓・猪苓は利尿薬の代表、白朮・桂枝も燥性薬で、漢方で湿証に対処する方剤の代表とされています。
この方剤には桂枝という表証用の生薬が入っているので、同じ湿証でも頭痛・めまいを伴う湿証と見ることができます。
湿証は一般に口渇がないのを常としますが、この方剤は普通、口渇と尿量減少を目標に用いられます。そうするとこの口渇は、熱証による口渇と見なければなりません。水を飲むとすぐ吐くというのが、この方剤の使用目標の一つに数えられますが、それは、湿証で水を受けつけないためと、熱証であるため(寒証なら時間を置いて吐く)とによると考えれば、理解できます。
要するにこの方剤の適応する証は、湿熱証で、口渇と尿量減少があり、しばしば頭痛やめまいを伴い、水を飲むと吐くというのが、その典型的な証です。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂 »に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |