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強風弱散:
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 |
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出典書籍
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 →処方使用期間:1764年間生薬一覧
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 効能3 | 効能4 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
桂皮 » |
4 |
温中散寒 |
温経散寒 |
止痛 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
||
乾姜 » |
2 |
温中散寒 |
温経散寒 |
補陽 |
止嘔 |
温裏薬(散寒薬) |
||
人参 » |
3 |
補気健脾 |
生津 |
消痞 |
補虚薬 |
補気薬 |
||
白朮 » |
3 |
補気健脾 |
利水 |
止瀉 |
補虚薬 |
補気薬 |
||
甘草 » |
3 |
補気健脾 |
生津 |
止痙 |
補虚薬 |
補気薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
生薬説明
1.乾姜・桂皮は、末梢性・中枢性に血行を促進し、特に腹部を温めて痛みを止め(温中散寒)、冷えによる胃腸平滑筋のトーヌス上昇を緩解する。また、トーヌスの低下・蠕動無力を呈するとき(気虚・陽虚)には、血行改善により腹中を温め、トーヌス・蠕動を正常化させる(温陽)。2.人参・白朮・甘草(炙甘草)は、消化吸収を強め、元気をつけ、全身の機能を高める(補気健脾)。
3.白朮は、消化管内の水分を血中に吸収して利尿によって排除し、下痢~軟便を緩解させる(利水止瀉)。
4.人参は上腹部の痞えを除く(消痞)。甘草(炙甘草)は乾姜の刺激性を緩和し、鎮痙・鎮痛に働く。
5.桂皮は、悪寒・頭痛・関節痛・発熱などの表証に対し、発汗・解熱・末梢循環促進の効果によって緩解させる(辛温解表)。
(補足)
本方は、温中散寒の人参湯に、辛温解表の桂皮を加えたものである。桂皮は循環促進に働くので、人参湯の温中散寒の効果を強めたものと考えてもよい。
中薬構成
(herb composition)
人参・白朮・乾姜・甘草は人参湯で、この方剤は人参湯に桂枝を加えたものと考えればよいです。
桂枝は桂枝湯の桂枝で、頭痛や肩こりを発散させ、解消させるとともに、神経性心悸亢進をしずめる作用があるから、人参湯を用いたいような人で、頭痛・肩こり・神経性心悸亢進を訴えるような場合に適した方剤と言うことができます。人参湯を用いたいような人とは、顔色の悪い、腹力のない、胃アトニータイプと考えればよいです。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂 »に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |