【八綱分類の説明】 |
証とは、体質的なものと症状的なものとを合わせて、その人がその時点で現している体の状況です。 八綱分類は、証についての基本です。証の判定のための「物差し」の定義です。
●表裏『表裏』は、病位(病気の存在する位置)の分類(上下概念)です。1.表証:病気がまだ浅く、頭部・外表(指でつまめる部位)、あごから上の位置です。体表部に苦痛や症状のある状態です。 急性病は、表証の場合が多いです。 2.裏証:躯幹(頭と手足を除いた胴体部分)・内臓・口腔すなわち内腔部(腸管部位)です。 慢性病は、苦痛がどこにあろうと裏証です。 横隔膜に隣接する部位(胃、肝、肺、食道、気管支)などを特に半表半裏といいます。 ●熱寒『熱寒』は、病性の分類です。1.熱証:身体や病気が、興奮的・機能異常亢進的・炎症的な病の性質です。 熱証の方は、冷房や冷たい飲料が大好き、尿意があまりなく尿量が少ない、便は硬め、灼熱感があり寒気はあまりしないです。 2.寒証:身体や病気が、機能異常衰退的・萎縮的・アトニー的な病の性質です。 寒証の方は、暖房や暖かい飲み物が大好き、尿意が近く尿量が多い、便は軟らかめで、寒気がします。 寒とは「さむい」「冷える」ということですから、病気の寒冷傾向の状態をいいます。 |
●実虚『実虚』は、病勢(病気の勢い)についての分類です。病邪(病気の原因になる要素)の勢いと体力(抵抗力・闘病反応)との比較です。1.実証:体力(抵抗力・闘病反応)が強くて病邪が強い場合です。 実証の方は、体力や元気があり汗が出ないです。 実証の方は、外見的に筋肉質でがっちり、体格がよい、血色がよく、声が大きいです。 2.虚証:体力(抵抗力・闘病反応)が弱くて病邪が強いまたは弱い場合です。 虚証の方は、体力や元気があまりなく汗が出ています。 虚証の方は、やせていて色白、声がか細く、胃腸が弱く、すぐに疲れやすい、いわゆる虚弱体質です。 ●八綱分類1.表熱実(ひょうねつじつ)2.表熱虚(ひょうねつきょ) 3.表寒実(ひょうかんじつ) 4.表寒虚(ひょうかんきょ) 5.裏熱実(りねつじつ) 6.裏熱虚(りねつきょ) 7.裏寒実(りかんじつ) 8.裏寒虚(りかんきょ) |
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