使用上の注意
●してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
1.次の人は使用しないでください。
(1)非喫煙者(タバコを吸ったことのない人及び現在タバコを吸っていない人)(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)
(2)他のニコチンを含有する製剤を使用している人
(3)妊婦又は妊娠していると思われる人
(4)授乳中の人(乳汁中への移行が認められています)
(5)重い心臓病を有する人
1)3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人、2)重い狭心症と医師に診断された人、3)重い不整脈と医師に診断された人
(6)急性期脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)と医師に診断された人
(7)うつ病と診断されたことのある人(禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあります)
(8)本剤の成分によるアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、はれ等)を起こしたことがある人
2.次の部位には使用しないでください。
湿疹、かぶれ、傷口
3.本剤を一度に2枚以上使用しないでください。
4.本剤を使用中及び使用直後は、次のことはしないでください。(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)
(1)ニコチンガム製剤の使用
(2)喫煙
5.本剤を使用中は、サウナの使用や激しい運動はしないでください。(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)
●相談すること
1.次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人
(2)他の薬を使用している人(他のの作用に影響を与えることがあります)
(3)本人又は家族がアレルギー体質の人
(4)薬によりアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、はれ等)を起こしたことがある人
(5)高齢者及び20才未満の人
(6)次の診断を受けた人
心臓病(心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全等)、胃・十二指腸潰瘍、高血圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)、末梢血管障害(バージャー病等)、全身性皮ふ疾患(アトピー性皮ふ炎、湿疹性皮ふ炎)、てんかん、神経筋接合部疾患(重症筋無力症、イートン・ランバート症候群)
(7)発熱のある人(ニコチンの吸収量が増加し、過量摂取になる可能性があります)
2.次の場合は、直ちに本剤をはがし、石鹸などを使用せずに、皮ふ表面を水で洗い乾燥させてください。それでも症状が続く場合は、この説明文書を持って医師又は薬剤師に相談してください。
(1)使用後、次の症状があらわれた場合
関係部位 | 症状 |
皮ふ | 発疹・発赤、かぶれ、かゆみ、じんましん、水泡、はれ、色素沈着、痛み、ヒリヒリ感、熱感、皮ふのはがれ、フケの増加 |
精神神経系 | 不眠、頭痛、めまい、しびれ、悪夢、疲労感、眠気、集中困難、情緒不安定、手足のふるえ、神経過敏、感覚障害 |
消化器 | 悪心・嘔吐、腹痛、胸やけ、食欲不振、消化不良、便秘、下痢、口内炎 |
肝臓 | 全身のだるさ、皮ふや白目が黄色くなる |
循環器 | 動悸、血圧の上昇、胸苦しさ |
自律神経系 | 口のかわき、ほてり、多汗、だ液の増加、顔が青白くなる |
呼吸器系 | せき、息苦しさ、のどの違和感 |
筋・骨格系 | 筋肉痛、肩こり、背中の痛み |
その他 | 口中の苦味、味覚異常、耳鳴り、疼痛、ニコチン臭、不快感、胸の痛み、寒気、むくみ、脱力 |
(2)まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
症状の名称 | 症 状 |
ショック(アナフィラキシー) | 使用後すぐにじんましん、浮腫、胸苦しさ等とともに、顔色が青白くなり、手足が冷たくなり、冷や汗、息苦しさ等があらわれる。 |
3.次の人は過重摂取になる可能性があります。下記の症状があらわれた場合は、直ちに本剤をはがし、石鹸などを使用せずに、皮ふ表面を水で洗い乾燥させ、医師又は薬剤師に相談してください。
(1)過量摂取になる可能性がある人(一般の人に比べて血中濃度が高くなりやすい人)
1)ニコチン代謝(解毒)酵素活性の低い人(日本人ではニコチンを代謝(解毒)する酵素の能力が低い人が約10人に1人存在することが知られています)
2)喫煙本数が少なく、タバコへの依存度の低い人
3)タバコの煙を深く吸い込まず、ふかすことが多い人
4)小柄な人ややせている人
(2)過量摂取になると起こる症状(急性ニコチン中毒の可能性があります)
悪心・嘔吐、下痢、はげしい腹痛、よだれ、顔が青白くなる、頭痛、発汗、めまい、手足のふるえ、けいれん、聴覚障害、視覚障害、神経障害、錯乱、全身の脱力、息苦しさ
4.次の場合は、使用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
1週間使用しても、タバコの本数が全く減らない場合や、禁煙当初のイライラ、不安、集中困難などの症状が軽くならず、禁煙が続けられない場合。
効能・効果
禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状の緩和
用法・用量
最初の6週間はニコチネルパッチ20を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付し、次の2週間はニコチネルパッチ10を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付してください。禁煙によるイライラなどの症状がなくなり、禁煙を続ける意志が強く、禁煙を続けられる自信がある場合には、6週間のニコチネルパッチ20を使用後、7週目以降のニコチネルパッチ10を使用せずに、本剤の使用を中止してもかまいません。貼付する場所は上腕部、腹部あるいは腰背部に毎日場所を変えて貼付してください。
用法・用量に関する注意
1.定められた用法・用量を厳守してください。
2.本剤を一度に2枚以上使用しないでください。
3.本剤を切り分けて使用しないでください。
4.連続して8週間を超えて使用しないでください。
5.次の検査及び治療を受けるときは、本剤をはがしてください。(貼付部位にやけどを生じるおそれがあります)
(1)MRI(2)ジアテルミー(高周波療法)(3)電気的除細動(AED等)
使い方
1.袋をハサミで切り、薬剤を取り出す。
この袋は、小児が容易に取り出せない特殊な包装になっていますので、裏面の点線に沿って、貼付剤を傷つけないようハサミで切り、薬剤を取り出してください。
2.薬剤をとりやすくする。
アルミシートの小さいほうを注意して手で切り取ります。
3.シートから薬剤ははがす。
アルミシートをゆっくりとはがします。丸いほうが薬剤です。
4.体に貼り、押さえる。
肌にシワができないように伸ばして貼ります。薬のフチが浮かないように10秒くらい手のひらで、指先でしっかり押さえます。
●貼る時の注意
左右の上腕部、腹部、腰背部のいずれかに貼付してください。
1.皮ふへの刺激を避けるため、毎日に場所を変えて貼付してください。繰り返し同じところには貼付しないでください。
2.傷や皮ふ病がある場所、またはベルトラインや体毛の濃い部分は避けて貼付してください。
3.添付する場所がぬれているときは、タオルなどでよく拭いて乾燥させてから貼付してください。