この薬の作用と効果について
■シガノンCQは真剣にたばこをやめたいと望む方のための医薬品です。禁煙時のイライラ、集中困難、落ち着かないなどの症状を緩和し、禁煙をサポートする禁煙補助剤です。
■禁煙を成功させるためには、シガノンCQだけでなく、禁煙しようという強い意志が必要です。
■パッチタイプの禁煙補助剤で、シガノンCQ1、シガノンCQ2の2種類があり、徐々にパッチサイズを小さくすることで、禁煙を成功に導きやすくします。
[特長]
1.少量のニコチンを含有し、皮ふに貼る医薬品です。
2.禁煙時のイライラ、集中困難や落ち着かないなどの症状を緩和します。
3.起きている間はシガノンCQを貼っているので、会議中、面談中、食事中でも禁煙対策ができます。
4.使用方法は皮ふに貼るだけなので、簡便です。
5.肌色で小さいパッチなので、目立ちにくいです。
■シガノンCQを使用している間は、たばこを吸わないでください。たばこを吸わない人や現在吸っていない人は使用しないでください。
禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状の緩和
次のような方は使う前に必ず薬剤師に伝えてください。
1.次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください
(1)医師の治療を受けている人。
(医師から処方されている薬の作用に影響がでることもあります。)
(2)他の薬を使用している人。
(使用中の薬の作用に影響がでることもあります。)
(3)高齢者又は20才未満の人。
(一般的に高齢者(65才以上)は、生理機能が衰えていることが多いので注意が必要です。また、20才未満の方は他の禁煙方法が 適していることもあるので、医師又は薬剤師にご相談ください。)
(4)本人又は家族がアレルギー体質の人。
(アレルギーを引き起こすことがあります。)
(5)薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
(何らかの薬でアレルギー症状を起こしたことのある人は、本剤でもアレルギーを起こすことがあります。)
(6)絆創膏等にかぶれやすい人。
(貼付剤のため、皮ふが弱い人はかぶれを引き起こすことがあります。)
(7)医師から次の診断を受けた人。
心臓疾患〔心筋梗塞、狭心症、不整脈等〕、脳血管障害〔脳梗塞、脳出血等〕、末梢血管障害〔バージャー病等〕、高血圧、甲状腺 機能亢進、褐色細胞腫、糖尿病〔インスリン製剤を使用している人〕、消化性潰瘍、肝・腎機能障害、全身性皮ふ疾患〔アトピー性 皮ふ炎、湿疹性皮ふ炎等〕、てんかん、神経筋接合部疾患〔重症筋無力症、イートン・ランバート症候群〕
(症状を悪化したり、薬の有効性や安全性に影響することがあります。)
(8)発熱している人。
(皮ふ温が高くなるとニコチンの吸収が促進され, 副作用があらわれやすくなります。)
2.使用後、次の症状があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください
(1)使用後、次の症状があらわれた場合。
[関係部位]皮ふ
[症 状]発疹・発赤、はれ、全身性の皮ふ反応(じんましん、全身の発疹等)
[関係部位]循環器
[症 状]頻脈(脈が速くなる)、心拍数の増加(心臓の鼓動が速くなる)、心拍異常(心臓の鼓動のみだれ)、
動悸、胸痛、血圧が高くなる
[関係部位]消化器
[症 状]はきけ、嘔吐、上腹部痛、下痢、食欲不振、消化不良、口内炎、味覚異常
[関係部位]呼吸器
[症 状]息苦しさ、のどのはれ、咳
[関係部位]精神神経系
[症 状]睡眠障害(異常な夢、不眠等)、頭痛、めまい、眠気、易刺激性、神経過敏、ふるえ
[関係部位]その他
[症 状]関節痛、筋肉痛、寒気、発熱、手足の痛み、全身の痛み、無力感、疲労、倦怠感、過敏症、多汗
(本剤によるアレルギー症状であるか、本剤の薬理作用が強くあらわれたものと考えられます。)
まれに次の重篤な症状が起こることがあります。その場合には直ちに医師の診療を受けてください。
[症状の名称]アナフィラキシー様症状
[症 状]胸苦しさ、むくみ、じんましん、発疹等があらわれる
(本剤及び海外製品で、まれに、これらの症状が起こることがありますので、手当が必要です。)
(2)本剤を1週間使用しても、喫煙本数が減らないなど禁煙できない場合。
(喫煙本数の減少やイライラなどの症状の改善がない場合には、漫然と使用せず、医師による禁煙治療が必要な場合があります。)
3.使用後、次の症状があらわれることがありますので、このような症状の継続又は増強が見られた場合には、使用を中止し、医師又は薬 剤師に相談してください
[関係部位]皮ふ
[症 状]かゆみ、刺激感
[関係部位]消化器
[症 状]便秘
[関係部位]その他
[症 状]口のかわき
(これらの症状が、しばらくしても軽減されずに続くようであったり、増強するような場合は使用を中止し、手当が必要です。)
4.次のような場合には、下記に示す症状が生じる可能性があります。
(1)日本ではニコチンを代謝(解毒)する酵素の能力が低い人が多く(約10人に1人)存在することが知られており、これらの人が 本剤を使用した場合。
(2)喫煙本数が少ない人、小柄な人、高齢者等が使用した場合。
(3)誤って定められた用量を超えて使用した場合。
(4)小児が誤用した場合。
これらの場合に、次のような症状があらわれたときは、速やかに本剤をはがし、石けんを使わずに触れたところを水で洗い、直ちに医師 又は薬剤師に相談してください
蒼白(顔色が青白くなる)、冷や汗、はきけ、だ液の増加、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、めまい、聴覚・視覚障害、ふるえ、精神錯乱及び 虚脱感
(急性ニコチン中毒の可能性があるので、その初期的な対処をした後、医師又は薬剤師にご相談ください。)
5.使用前及び使用済みのパッチとも、小児にとって、相当な量のニコチンを含有しています。よって、本剤を小児が誤飲した場合、重度 の急性ニコチン中毒症状を生じ、死に至るおそれがあります。
小児が誤飲した場合は、直ちに次のように対処し、速やかに医師の治療を受けてください。
・口腔内に残っていて容易に取り出せるときには除去してください。
・飲み込んでいたら、無理に吐かせないでください。また、吐かせようとして水あるいは牛乳等を飲ませないでください。
・誤飲したときの状況を把握してください。:時刻、枚数、未使用パッチか使用済パッチかの区別、症状(蒼白、冷や汗、はきけ、だ液 の増加、嘔吐等)等
(小児が誤飲したとき、速やかな対処が必要なため、初期的な対処と医師への受診を喚起しました。)
6.用法・用量に定める期間(8週間)が終わったら、本剤の使用をやめてください。まだ、本剤が必要だと感じる場合は、医師又は薬剤 師に相談してください。
(長期に連用するとニコチン依存がたばこから本剤に引き継がれ, 本剤をやめることが困難になることがあります。)
用法・用量(この薬の使い方)
胸、背中、腕のいすれかを選び、次の期間1日1回1枚を起床時に貼付し、就寝前にはがしてください。なお、貼付部位は毎日変えてください。
シガノンCQ1:最初の6週間
シガノンCQ2:次の2週間
ただし、シガノンCQ1を6週間貼付後、禁煙時のイライラなどの症状がなくなり、禁煙継続に自信がある場合は、シガノンCQ2を使用しなくてもよいです。
(1)定められた用法・用量を厳守してください。
(2)貼りかえるごとに貼る場所をかえ、一度貼った場所には1週間以上貼らないでください。
(3)このパッチは傷つけたり、切って使用しないでください。
(4)1枚のパッチは起床時に貼付し、就寝前にはがしてください。そして、翌朝起床時等に新しいパッチを貼付してください。
(5)貼りはじめには軽いかゆみ、ヒリヒリ感、又はピリピリ感があらわれることがありますが、通常1時間以内に消失します。はがした 後、貼っていた場所が多少赤くなることがありますが、通常1日たてば赤みは消えます。
(6)ニコチンが付着した手で目や鼻をさわると、痛みや赤み等が生じたり、更に重大な問題が発生することがありますので、貼るときや はがすときにパッチ及び粘着面のフィルムにさわったら必ず手を洗ってください。この際石けんを使用するとニコチンの吸収が促進 されることがあるため、石けんは使用しないでください。
(7)パッチは適切な貼り方をしていれば皮ふにしっかりと貼り付き、パッチを貼っている間でも、短時間の入浴、水泳、シャワーが可能 ですが、場合によってははがれることがあります。
(8)長時間入浴するときは、入浴前にパッチをはがしてください。
(9)パッチを貼っている途中ではがれたら、別の清潔で、乾燥した、体毛の少ない部位に、新しいパッチを貼ってください。
(10)以下の治療等を受けるときは、前もってパッチをはがしてください。
電気的除細動(DC細動除去等)、ジアテルミー(高周波療法)、MRI(核磁気共鳴画像法)
具体的な使用方法(使用手順)
①貼る準備ができるまでアルミ袋を開封しないでください。
②貼る場所は原則として体毛の少ない、胸、背中、肘から肩にかけての腕の外側の、いずれかを選びます。
③皮ふへの貼りつきが悪くなるので、皮ふの表面にローションや石けんが付着していないことを確認してください。
④入浴後に貼る場合は、貼る場所の水分を十分に取り除き、乾燥させてから貼ってください。
⑤アルミ袋は点線にそってハサミで切って中のパッチを取り出してください。
⑥透明フィルムでカバーされている銀色の粘着面(薬剤面)が皮ふに貼りつける面です。なるべく銀色の面に触れないように透明フィルムをはがしてください。
⑦フィルムをはがしたら、すぐに粘着面を皮ふにあててください。
⑧手のひらでしっかりと10秒以上皮ふに押しあてます。特にパッチの端の部分が皮ふにしっかりと付いていることを確認してください。汗などではがれやすい場合は、市販の絆創膏なとで固定することをおすすめします。
⑨はがしたパッチは銀色の面を内側にして半分に折り、小児の手のとどかない所に捨ててください。
⑩パッチが入っていたアルミ袋や使用済みの(はがした)パッチ、粘着面のフィルムはすぐに捨ててください。これらにもニコチンが含まれているため、パッチと同様に取り扱ってください。
してはいけないこと(禁止事項)
(守らないと現在の症状か悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
1.次の人は使用しないでください
(1)非喫煙者(たばこを吸ったことのない人及び現在たばこを吸っていない人)。
(禁煙を希望するときに使用する医薬品ですから、現在、喫煙習慣のない方が使用すると、嘔吐、下痢、めまい、虚脱感、心拍数の増 加(心臓の鼓動が速くなる)等の症状が起こることがあるので、非喫煙者は使用しないでください。)
(2)現在、他のニコチン製剤を使用している人。
(過剰なニコチンの摂取により中毒症状を引き起こすことがあります。)
(3)妊婦、授乳婦又は妊娠していると思われる人。
(胎児や乳児への影響が考えられるので、使用しないでください。)
(4)重い心臓病を有する人。
1)3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人。
2)重い狭心症と医師に診断された人。
3)重い不整脈と医師に診断された人。
(ニコチンの作用により症状を悪化させることがあります。)
(5)急性期脳血管障害(脳梗塞・脳出血等)と医師に診断された人。
(ニコチンの作用により症状を悪化させることがあります。)
(6)本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
(アレルギー症状を起こしたことがある成分は避けて使用する必要があります。)
(7)肝・腎機能障害にて医療機関で医師の治療を受けている人。
(ニコチンの代謝が遅れ、副作用が起こることがあります。)
(8)うつ病の既往のある人。
(禁煙に伴う精神的負担でうつ病が再発することがあります。)
2.次の部位には使用しないでください。
(1)目の周囲, 粘膜(例えば、口腔、鼻腔、膣等)等。
(刺激が起きたり、有効成分の吸収が促進され、副作用があらわれやすくなります。)
(2)やけど、吹出物、切り傷、炎症等皮ふに異常のある部位。
(傷等のある場所に貼付すると、傷等が悪化したり、有効成分の吸収が促進され、副作用があらわれやすくなります。)
3.本剤を使用中又は使用直後はたばこを吸ったり, ニコチンガムをかんだりしないでください。
(体内に過剰なニコチンが摂取され、副作用があらわれやすくなります。)
4.1回に2枚以上貼らないでください
(体内に過剰なニコチンが摂取され、副作用があらわれやすくなります。)
5.本剤は次の状態のときに使用しないでください
サウナ使用時、激しい運動時
(皮ふ温が高くなるとニコチンの吸収が促進され、副作用があらわれやすくなります。)
成分・分量
薬物貯蔵層100g中 ニコチン40g
シガノンCQ1:一枚中ニコチン78mg
シガノンCQ2:一枚中ニコチン36mg
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリエチレン
保管方法その他
1.直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
2.小児の手のとどかない所に保管し、触れたり口に含んだりしないよう注意してください。
3.他の容器に入れかえないでください。(誤用の原因になったり品質が変わることがあります。)また、一度開封したアルミ袋や破れた アルミ袋にパッチを保管しないでください。
4.使用期限を過ぎた製品は使用しないでください。
禁煙に役立つ知識
禁煙が難しいのは・・・
「禁煙は意志が弱いと難しい」とお考えの方も多くいらっしゃいます。実際に、何回も禁煙にチャレンジしても長続きせず、また喫煙してしまう方もいらっしゃいます。確かに、禁煙するには本人の意志が大切です。しかし、喫煙は単なる嗜好の問題ではなく、たばこに含まれるニコチンによって、たばこがやめられなくなっているのです。
ニコチンは大脳に働き、一種の快楽をもたらし、喫煙を継続することで、ニコチン依存の状態になります(身体的な状態)
また、食後、ひと仕事のあと、コーヒーやお酒を飲みながらの一服など毎日の行動の中で、習慣的に喫煙しています(心理的な行動)。
ここで、突然、禁煙をすると、イライラ、集中困難、落ち着かないなどのニコチンの離脱症状が起こってきます。ですから、意志が弱いから禁煙できないのではなく、ニコチンの離脱症状を克服するのがつらく、喫煙習慣を断ち切れないことが、何回も禁煙にチャレンジしなから、失敗している主な原因です。
禁煙を成功に導くためには・・・
「禁煙する」という意志を持ち続けることが大切です。しかし、ニコチンの影響で、禁煙すると起こるイライラ、集中困難や落ち着かないなどのニコチンからの離脱症状が起こります。この離脱症状をやわらげ、禁煙を容易に成功に導く補助的な療法として「ニコチン置換療法」があります。
●ニコチン置換療法
ニコチン置換療法は、禁煙時に出現するニコチンの離脱症状(イライラ、集中困難、落ち着かないなど)に対してニコチンを薬剤の形で体内に供給し、その症状を緩和しながら、まず心理的依存から抜け出させます。次にニコチン供給量を徐々に減らして、ニコチン依存から離脱させていくことを主眼として確立された治療方法です。
●シガノンCQを用いたニコチン置換療法
シガノンCQを用いたニコチン置換療法は、1日1回1枚を貼ることにより起きている間は禁煙対策ができます。
喫煙による健康被害
喫煙が関係している疾患はがん、脳卒中、心臓病、呼吸器の疾患、歯周病などさまざまです。これらには、死と直接結びつく疾患も含まれております。また、喫煙する本人だけでなく、たばこを吸わない人も、他人のたばこの煙にさらされること(受動喫煙)によって、健康被害を起こすことが指摘されています。
がん
肺がん、食道がん、口腔がん、中咽頭・喉頭がんなど多くのがんにおいて、喫煙によるがん罹患の相対危険度が2倍以上となるなどの結果が得られています。
脳卒中
欧米及び国内の多くの研究で、脳卒中の発症リスクが高くなることが報告されています。
心筋梗塞・狭心症(虚血性心疾患)
欧米及び国内の多くの研究で、毎日たばこ1箱の喫煙の虚血性心疾患罹患・死亡に対する相対危険度は1.6~3倍であったと報告されています。
呼吸器疾患
たばこの煙に直接暴露される呼吸器系への影響は、肺機能の低下やガス交換機能の低下による動脈酸素分圧の低下などが認められるとともに、さまざまな呼吸器疾患との関連が報告されています。特に慢性気管支炎、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関連は多数報告されています。肺機能に対する禁煙の効果は、肺機能の改善又は低下の抑制が見られ、禁煙の重要性が示唆されています。
糖尿病
インスリン非依存性糖尿病の非喫煙者との相対危険度は、喫煙により有意にリスクが高まることが報告されています。
(出典:「喫煙と健康問題に関する検討会」報告書)
受動喫煙による健康被害
たばこの先から立ちのぼる煙(副流煙)には、喫煙者が吸い込む煙(主流煙)よりも多くの有害物質が含まれています。副流煙を吸うことを「受動喫煙」といいます。
受動喫煙による慢性影響は、確実な関連疾患として虚血性心疾患、肺がん、副鼻腔がんなど、可能性のある関連疾患として、子宮頸がん、気管支喘息の悪化、呼吸機能低下などが報告されています。
こども
受動喫煙によるこどもへの影響は急性下気道感染症、気管支喘息の発病と悪化、慣性呼吸器症状、中耳炎、乳幼児突然死症候群(SIDS)などが示唆されています。
胎児
妊娠中の喫煙が胎児に及ぼす影響
妊娠中の喫煙が胎児の健康に及ぼす影響は、喫煙妊婦の早産、自然流産の頻度は非喫煙妊婦に比べて概ね1.5倍、周産期死亡は1.2~1.4倍高くなります。また、喫煙妊婦における低体重児の頻度は非喫煙妊婦に比べて約2倍高いと報告されています。
妊婦の受動喫煙が胎児に及ぼす影響
低体重出生の発生リスクが高まるとともに、自然流産の可能性が高くなることが指摘されています。
(出典「喫煙と健康問題に関する検討会」報告書)